もともと拙宅では、曾祖父母の頃より神仏に対しての信心が深かったため、
自宅には仏壇と神棚があり、そのせいもあったためか、自分も敬神崇仏の
想いは深く、出先では道端の小祠や堂宇に手を合わせるような性分でした。

さて、以上のような状態が下地としてあった事を踏まえてという事になりますが、
先頃、「季刊・銀花:第36号」(1978年)の特集ページ「祈りの版画」を読んで
日本各地の神社仏閣から授与される護符や、御祭神・御本尊の姿を版刻した
御影(みえい)から、得も言われぬ魅力を感じるようになり、いざ蒐集する事を
決意したのでした…。おわり。

以上によりまして、このページでは、自分が蒐集した護符、並びに御影を
新古取り混ぜて、入手次第、順次紹介していきたく思います。

なお、大型の御影については蒐集した実物は、殆どのものが軸装されていますが、
掲載に当たっては、本紙部分を除き画像をトリミングしてあります。ご了承下さい。


凡例

蒐集の範囲が際限なくなるので、文字のみの札は当初より蒐集対象外となっております。

神仏の姿が描かれているという点で考えますと、護符と御影の区別を上手く説明するのは難しいのですが、
該当寺社に祀られている神仏の尊像や姿を描いたものを御影、それ以外の眷属や神使を描いたもの、
または牛王宝印などを護符という形で便宜上分類しています。
なお、御影の蒐集に当たっては、自分は絵入りの物ならば何でも良いという訳ではなく、
御影自体の様式が、あくまでも古式に則った、または踏襲しているものを重視しており、
尊像等の絵柄が明らかに今風であったり、文字が活字やフォントっぽいものに関しては、
意図的に蒐集の対象としていません。
なので、「このお寺or神社に行ってて、この御札や御影はあるのに、あの御札や御影が無いのは何で?」
という疑問の答えにつきましては、大抵は上記の理由によります。何卒、お察し下さい。


※サムネイルをクリックすると拡大画像を表示します。

権現部

飯綱権現

東京都 八王子市
高尾山 薬王院
飯縄大権現 切札 
東京都 目黒区
成就院(蛸薬師)
秋葉三尺坊 神札
神奈川県 小田原市
最乗寺
道了尊 御影
飯綱権現(いづな/いいづなごんげん)は、長野県の
長野市・上水内郡信濃町・飯綱町にまたがる飯綱山において、
修験道を基にした山岳信仰から発祥したとされる神仏習合の神です。

尊容は、山伏が信仰対象とする不動明王に代表される炎の光背(迦楼羅焔)や
左手の羂索(けんさく)、右手の剣を中心として、これに烏天狗の嘴や羽根、
また荼枳尼天 (だきにてん)の乗物である、野干(やかん:ジャッカル)がインドから
大陸経由で日本に輸入された際に変化した白狐に乗り、更に後には弁財天と集合した
宇賀神(うがじん:人面蛇体の姿を取る食農神)を象徴する蛇が尊体や白狐の手足に
巻きつくといった複雑な様相を取っています。

なお、当初 飯綱山で発生した信仰は、後に東京・八王子の高尾山に分派し、
また同じ飯綱権現から出た親類筋にあたる、静岡県秋葉山の秋葉権現や
神奈川県の大雄山最乗寺の道了尊(どうりょうそん)などが知られています。

 

神使・眷属系

東京都 青梅市
武蔵御嶽神社
大口真神 神札 
東京都 渋谷区
宮益御嶽神社
大口真神 神札
東京都 太田区
御嶽神社
御使者神狗 神札
埼玉県 秩父郡 長瀞町
宝登山神社
眷属神札

   

埼玉県 秩父郡 長瀞町
岩根神社
御狗様 神札

埼玉県 神川町
城峯神社
御狗様 神札
   
東京都・青梅市の御嶽神社や埼玉県・秩父郡の三峯神社を中心として
北は福島県から、西は静岡県に亘る広範囲において、狼を眷属とした
神社があり、現在でも各社において「お犬さま」と称して御札を授与しており、
盗難や、四足除け(※)といった効験を謳ったものがあります。

※ここで言う「四足」は山に住む、鹿や猪といった獣。
特に山際での農業や、山中で焼畑を営む農家にとっては害獣となるため。

なお、御札に書かれている「大口真神」(おおぐちのまがみ)は
神格化された狼の呼称であり、かつて大和国(現・奈良県)にある
飛鳥(現・明日香村)の真神原に出現したとされる狼に由来するもの。

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